2021年3月20日(土)に、地球レーベル様主催の自然観察会に参加してきました。常総みどりの会からは坂入さんが講師をつとめ早春の生き物の解説を行いました。坂入さんは水海道あすなろの里の職員さんで、とても人気のある自然観察指導員です。いつもニコニコとやさしく話しかけてくれます。宝篋山(ほうきょうさん)は筑波連山のはしっこに位置し、筑波山を代表とする山の一つです。伝統的な人の暮らしと山がつながった里山を作っています。
観察会は小田休憩所から極楽寺コースの入り口までの田園コース(約1km)をゆっくり歩きながら、生き物を観察するというものです。参加者は幼稚園から小学生くらいのお子様とその保護者で、合わせて十数人ぐらいの小さな団体でした。
遠くでウグイスやホオジロ、シジュウカラなどの野鳥の鳴き声が聞こえます。足元には小さな花やテントウムシ、小川には小さな貝やカエルがいます。穏やかに晴れて温かく、のんびり歩くだけでもとても気持ちのいい散歩日和でした。
坂入さんが観察ポイントに案内し、そこで見つけた植物や昆虫などの春の生き物の解説にはじまり、里山独特の人と自然の関わり合いまでをレクチャーされました。「自然の仕組み」と「自然と人間の関わり合い」を気づいて考える、やさしいお話です。
黄色い花にはどんな生き物が集まってくるのかな?花と昆虫とのあいだには大切な関係があって命をつないでいくんだよ。
みんなさわってごらん。カサカサでフワフワしたスポンジのような感触のオオカマキリの卵を紹介されました。寒い冬を乗り越えるために虫たちは工夫しているんだね。
あぜ道にはたくさんのピンクの花が咲いていました。ヒメオドリコソウとホトケノザです。手に取ってよく見ると茎が四角いんです!これはシソ科の植物の特長で、材木のように強い構造なのですよ。
しゃがんでじーっと観察していると、カラスノエンドウの新芽にはテントウムシやその幼虫、アリ、小さなアブラムシ、カエルまで出てきました。アブラムシはカラスノエンドウの汁を吸い、お尻から甘い蜜を出します。アリはこの蜜が大好物でなめにきます。ところがナナホシテントウはアブラムシが大好物で食べにきます。さあ大変、アリとナナホシテントウのバトルが勃発です。その後ろにはさらにアマガエルが狙っている!!小さな生き物の生死をかけた営みが見られました。
小さい白い花は、タネツケバナです。昔の農家さんは、田植えに使う種もみをお風呂に漬けて発芽させてたんだよ。ちょうどそのころに咲いている花だから種漬花。さすが里山、花の名前にまで人と自然がかかわっていました。
今日のゴールは極楽コース登山道の入り口です。開けた田園から少し登ったところはコブシや梅、桜、ケヤキ、クヌギなどが生えていて、ここから急に山になるんだなと感じます。足もとにはかわいい山の野草が咲いていました。タチツボスミレ、ニリンソウ、バイモ。どれも田んぼでは見られなかった野草です。ちょっと登っただけでこんなに変わるんですね。
最後にはおさらいを兼ねたクイズで盛り上がり、お土産に缶バッチを頂きました。ヒヨドリと桜をモチーフにした春らしいバッチです。子供たちはさっそく服や帽子に付けて喜んで帰りました。観察会で楽しかったことをお友達に伝えて、地域の自然を大切にする仲間が増えるといいですね。
地球レーベル様、楽しい観察会を企画して頂き有難うございました。
次の企画も楽しみにしています。
文:可児
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